エアコン内部のカビ|クリーニング業者とカビ取り専門業者の違い

エアコンのカビを業者に頼む目安は、フィルターより奥の送風ファンや熱交換器に黒い汚れやにおいがあるかどうかです。エアコンクリーニングとカビ取り専門業者の違い、見積もりで確認する分解範囲、防カビコートの考え方、市販スプレーを使わない理由、賃貸での費用負担を解説します。
目次
エアコンのカビを業者に頼む目安

この記事のポイント
- カビが増えるのは熱交換器・送風ファン・ドレンパン。フィルター清掃では届かず、内部は業者の領域
- エアコン単体ならクリーニング業者、部屋全体のカビが絡むならカビ取り専門業者
- 市販スプレーやアルコールでの内部掃除はしない。賃貸は先に管理会社へ
エアコンのカビは、フィルターより奥の部品に生えたものなら業者に頼む段階です。ダイキンは、フィルターを外した本体内部(アルミフィン部分など)は利用者では手入れできないとし、内部洗浄は販売店やメーカーに相談するよう案内しています。
次のどれかに当てはまれば、内部のカビを疑ってください。
- 吹き出し口やルーバー(風向きの羽根)に黒い点が付いている
- 吹き出し口の奥をライトで照らすと、筒状の送風ファンに黒い汚れが見える
- 運転を始めたとき、カビ臭い・酸っぱいにおいがする
- フィルターを掃除してもにおいが消えない
- 冷房を使うと家族の咳や鼻炎が出る(カビと健康)
エアコンの中でカビが増える仕組み

冷房運転中、エアコン内部の熱交換器(アルミフィン)は結露して濡れています。ダイキンも、冷房時の結露水の影響でカビが発生すると説明しています。
運転を止めると、暗い本体の中に湿気と、部屋から吸い込んだホコリが残ります。
フィルター清掃で取れるのは手前のホコリまでです。カビが増えるのはその奥の熱交換器・送風ファン(横長の筒状の部品)・ドレンパン(結露水の受け皿)で、分解しないと届きません。
エアコンクリーニングとカビ取り専門業者の違い

| エアコンクリーニング業者 | カビ取り専門業者 | |
|---|---|---|
| 目的 | 汚れ・ホコリ・ニオイの除去(洗浄) | カビの除去と再発抑制(除カビ・防カビ) |
| 作業範囲 | カバー・フィルター・熱交換器・送風ファンの高圧洗浄。完全分解(オーバーホール)を行う業者もある | 洗浄に加えて防カビ処理。部屋全体のカビ対策の一部としてエアコンを扱う業者もある |
| 向いているケース | 定期メンテナンス、ニオイが気になる、汚れが主 | 部屋のカビが再発する、家族にアレルギーがある、他の箇所とまとめて対策したい |
| 費用 | 壁掛け1台あたりのメニュー料金。お掃除機能付きは別料金にする業者もある | 業者による。部屋全体の施工とまとめて見積もる形もある |
エアコン単体のカビ・ニオイなら、クリーニング業者で足ります。一方、エアコンを洗っても部屋のカビ臭が消えない場合や、壁や天井にもカビが出ている場合は、エアコンのカビは原因ではなく結果のこともあります。
部屋全体を見るカビ取り専門業者に相談してください。
見積もりで「分解洗浄」の範囲を確認する
同じ「エアコンクリーニング」でも、どこまで分解するかで仕上がりが変わります。見積もりでは、料金と一緒に作業範囲を確かめてください。
- 送風ファンを外すか
- 外さずに高圧洗浄する方法と、ファンを取り外して洗う方法がある。カビが多いなら取り外し洗浄のほうが届く範囲が広い
- ドレンパンを洗うか
- 結露水がたまる部分で、ヘドロ状の汚れが残りやすい。この汚れが残るとニオイが戻る
- お掃除機能付き・天井埋め込み型に対応するか
- 構造が複雑で、料金や作業時間が変わる。型番を伝えて見積もりを取る
- 電装部の養生をどうするか
- 基板や配線に洗浄液がかからないよう覆う手順があるか
製品評価技術基盤機構(NITE)は、内部洗浄は正しい知識を持った業者に頼み、購入した販売店やメーカーのサービス窓口に相談するよう呼びかけています。料金の目安を知りたい場合は、カビ取り業者の料金相場もあわせて見てください。
防カビコートは必要か
洗浄後に防カビ剤を塗るオプションがあります。効果の続く期間は製品や使い方で変わり、永久ではありません。
「コートをすれば掃除不要」ではなく、次の洗浄までの再発を遅らせるものです。頼む場合は、使う薬剤の成分と、施工後に運転を再開できるまでの時間を確認してください。
依頼するタイミング
ダイキンのFAQは、室内機のにおいへの対処の1つにエアコンクリーニングの依頼を挙げています。今回確認したメーカーのFAQには、内部洗浄の回数の目安は書かれていません。
使い方や部屋の湿気で汚れ方が変わるため、症状を基準に考えるのが現実的です。
冷房シーズン後(秋)
夏の結露と汚れが残った状態を、使わない時期の前にリセットできる
冷房シーズン前(春)
使い始めのカビ臭を防ぐ。夏の繁忙期より予約を取りやすい
症状が出たとき
吹き出し口の黒い点、運転開始時のニオイ、家族の咳・鼻炎の悪化。時期を待たずに相談
自分でできること・やってはいけないこと

自分でできること
- フィルターの掃除: ダイキンは、自動お掃除機能がない機種で約2週間に1度、掃除機か水洗いを勧めています
- 冷房・除湿のあとに内部を乾かす: 内部クリーン運転があれば使い、なければ送風運転。時間の目安はゼネラルが30分〜1時間、ダイキンが1〜2時間としており、機種の取扱説明書に従う
- シーズンの終わりに乾かす: ゼネラルは、晴れた日に半日ほど送風運転するよう案内しています
- 吹き出し口の手の届く範囲を、固く絞った布で拭く
やってはいけないこと
内部の掃除は自分でしない
- 市販のエアコン洗浄スプレー:ダイキンは「使用しないでください」としています。誤った洗浄は水漏れや電気部品の故障を招き、発煙・発火のおそれもあると説明しています
- 消毒用アルコールや塩素系漂白剤での内部掃除:NITEは、可燃性や腐食性のある液で内部を掃除しないよう注意しています
- 自己分解:カバーを外しての自己分解、電装部に水や洗浄液をかけること
NITEによると、2015〜2019年度の5年間に、エアコンの内部洗浄が原因の事故が20件起きています。内部の配線の端子に付いた洗浄液を伝って電気が流れ(トラッキング現象)、異常に発熱して火が出た事例です。
賃貸のエアコンのカビは誰が払うか
備え付けのエアコンなら、業者を呼ぶ前に管理会社や大家さんへ連絡してください。国土交通省の原状回復ガイドラインは、エアコンの内部洗浄を、喫煙などの臭いが付いていない限り貸主の負担とするのが妥当としています。
ただし契約に特約がある場合や、手入れを怠って汚した場合は扱いが変わります。入居中に頼むか退去時の清掃に含めるかも、先に確認しておくと費用の行き違いを防げます。
エアコンのカビと健康

エアコンは部屋の空気を吸い込んで吹き出すので、内部のカビは部屋全体に関わります。日本呼吸器学会は、夏型過敏性肺炎の予防策の1つにエアコンの定期清掃を挙げています。
環境再生保全機構も、カビをぜんそくの悪化因子としています。家族にぜんそくやアレルギーがあるなら、エアコン内部の洗浄を後回しにしないでください。
換気扇・レンジフードのカビ

浴室・トイレの換気扇やキッチンのレンジフードも、湿気と油・ホコリで内部にカビが出ます。換気の力が落ちると部屋の湿度が上がり、壁や天井のカビを増やす原因になります。
エアコンと一緒に対応する業者もあるので、まとめて見積もりを取ると日程を1回で済ませられます。
よくある質問
エアコンのカビ取りは年に何回必要?
決まった回数はなく、においや黒い点などの症状を基準に考えます。今回確認したメーカーのFAQには内部洗浄の回数の目安はなく、においが気になる場合の対処としてクリーニングの依頼を挙げています。夏の繁忙期を避けて春か秋に頼むと、日程を合わせやすくなります。
フィルターを掃除してもカビ臭いのはなぜ?
においの元が、フィルターより奥の熱交換器・送風ファン・ドレンパンにあるためです。ダイキンは、冷房時の結露水の影響で内部にカビが発生すると説明しています。奥の部品は利用者では手入れできないため、内部洗浄を業者に頼みます。
市販のエアコン洗浄スプレーで内部のカビは取れますか?
使わないでください。ダイキンは市販の洗浄スプレーを使わないよう案内しており、誤った洗浄は水漏れや故障、発煙・発火につながるおそれがあるとしています。内部のカビは業者の分解洗浄で取ります。
冷房のあとの送風運転は何分すればいい?
機種の取扱説明書に従うのが基本です。メーカーで案内が異なり、ゼネラルは30分〜1時間、ダイキンは冷房後1〜2時間の送風を挙げています。内部クリーン機能があれば、それを使います。
エアコンのカビで咳が出ることはありますか?
関係する場合があります。環境再生保全機構はカビをぜんそくの悪化因子に挙げ、日本呼吸器学会は夏型過敏性肺炎の予防にエアコンの定期清掃を挙げています。冷房を使うと咳が続くときは医療機関に相談し、エアコン内部の洗浄も検討してください。
まとめ
- カビが増えるのは熱交換器・送風ファン・ドレンパン。フィルター清掃では届かず、内部は業者の領域
- エアコン単体ならクリーニング業者、部屋全体のカビが絡むならカビ取り専門業者
- 見積もりでは送風ファンの取り外し・ドレンパン洗浄・お掃除機能の追加料金・電装部の養生を確認
- 市販スプレーやアルコールでの内部掃除はしない。賃貸は先に管理会社へ
エアコン・換気扇に対応するカビ取り専門業者(52社)を、Google口コミの評価順で比較できます。
参考(確認日: 2026年10月13日)
本記事は掲載業者の公式サイトおよび公的機関の公開情報をもとに編集部が作成した一般的な解説です。個別の症状・建物の状態については、各業者の現地調査や医療機関にご相談ください。料金・対応内容は業者ごとに異なります。
